ブックレビュー『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』
こちらの本を読んだので、興味を持ったポイントをレビューします。
古川武士『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』大和書房(2015年)
根性や意志力の頼らない「起きる技術」というのに興味があり読みましたが、一貫して「起きる時間」を早めるためには「寝る時間」を調整するという、言われてみれば真っ当な本だと思いました。
根性や意志力の頼らない「起きる技術」の5つのポイント
1.起きる時間ではなく寝る時間に集中する
2.睡眠負債が発生しないよう充分な睡眠を取る
この2つは、まさに「起きる」ためにはいかに「寝る」かが重要という点にフォーカスしています。
3.一度に1つの習慣を貫く
こちらは、良くやりがちなことで、「早起き+ジョギング」「早起き+英語学習」のように盛り込み過ぎて、共倒れになることを防止しようということが書かれていました。
4.センターピンに狙いを定める
早起きのためのセンターピン=寝る時間を守るためのキーとなる行動やルール。
なぜ寝る時間が遅くなっているか、それに影響を及ぼす要因(仕事を終える時間、リラックスタイムが長いなど)を分析して、改善することが書かれていました。
5.ボトルネック(理想の生活習慣を邪魔する突発的な予定や誘惑)を想定する。
生活では、必ず突発的な予定等が入ってくるので、それらにどう対処するかが書かれていました。具体的な対処法としては、以下の3つ。
- スケジュールに例外パターンを作る
- 例外パターンを3日以上連続させない
- 最初の3週間は睡眠時間を優先する→4週目以降は起きる時間を優先する
睡眠の量と質を高めるポイント
夜、眠くなるには「体温を下げて、暗い場所でリラックスすること」が原則ということで、睡眠を妨げる行為と促す行為がまとめられていました。
<睡眠を妨げる行為>
- パソコンやスマホを睡眠前にいじる
- 読書や仕事をする
- テレビを見る
- 寝る直前に40度以上の熱い風呂に入る
- 寝る直前にがっつり食べる
- 明るい光の下にいる
- カフェインを飲む
<睡眠を促す行為>
- スマホは電源をオフにしてかばんにいれる
- 静かな自然音やジャズなどの音楽を聴く
- 暗い部屋にする
- 寝る前の儀式をつくる
- 寝る2時間前に38度程度の風呂に入る
- 寝る3時間前には食事を済ませておく
- 夕涼みをする
朝スッキリ起きるためには、「太陽の光を浴び体温を上げて、刺激を与えること」が原則ということで、以下のポイントがまとめられていました。
- 日の光を浴びる
- 朝ご飯をしっかり食べる
- 熱いシャワーを浴びる(1分)
- 15分の片づけをする(体を動かす+メンタル面でスッキリする)
- ラジオ体操、ストレッチをする
- 朝一番の楽しみを用意する
- スマホ、テレビを有効的に使う
深い眠りに入るコツとして、以下のことがまとめられていました。
○寝室の環境(光・物音を避ける)
○運動
- 時刻:午後から夕方。起床後~午前中の激しい運動は避ける
- 種類と強度:中程度(ジョギング、ウォーキング、水泳など)の有酸素運動。
- 時間 20分~60分程度
- 頻度:週3~5回程度
○ 昼寝15分で頭がすっきり
○気になることは書いておく(メンタルを安定させるため)
理想の生活習慣に変わる5つのステップ
- 理想の生活習慣を描く
- 短期・中長期の両方の観点から「充実した毎日」を送る。
- その充実感を構成する感情ポートフォリオを書く。何をしている時に充実感を感じられるか。
- 寝る時間、起きる時間から描き始め、朝と夜の時間の使い方(自分にとって重要なこと)を描き、最後に出社と退社時間を決める。
- 現状の生活習慣を把握する
- ギャップを明確にする
- 例外パターンをつくる
- ベビーステップで始める
3カ月での早起き習慣化
3カ月で早起きを習慣化するとして、4つのフェーズごとにポイントがまとめられていました。
- 反発期(やめたくなる)第1週~第3週:寝る時間を1週30分ずつ早めていくだけでOK。起きる時間が早くならなくてもOK.
- 不安定期(振り回される)第4週~第7週:寝る時間、起きる時間の成功率は60%くらいであればとてもよい。イレギュラーへの対応を柔軟にする。
- 安定期(快適になる)第8週~第10週:成功率を80%以上に持っていくことがテーマ。
- 倦怠期(飽きてくる)第11週~第13週:寝る時間と起きる時間は固定したまま生活イベントに変化を持たせる。
仕事の高密度化
仕事時間がセンターピンになっている場合は、仕事の高密度化が必要ということで、仕事の高密度化についてまとめられていました。
原則1:帰る時間を徹底して死守する
原則2:超集中できるエネルギーを充電する(充分な休息と栄養)
原則3:完璧主義をやめ最善主義で考える(目的と相手の満足ラインをしっかりつかむ)
まず、きちんと自分の仕事における低密度の原因を生んでいるパターンを知るために、「時間簿」をつけることが必要と書かれています。「時間簿」の分析から、低密度の原因を特定し、その改善に以下の方法を使ってみようと提案されています。
- シングルモードで徹底的に集中する
- 最重要の仕事を朝一番に片づける
- 先延ばしをなくす→チャンクダウン(Chunk Down)物事の手順を具体化、明確化する。
・時間を短くする(重要な資料、15分だけタイマーをかけて作成)
・難易度を下げる(まずは過去の資料で参考になるものを探してみる)
- 突発的な仕事をコントロールする。→集中するべき仕事をチャンクダウンして、15分単位のモジュール(小さい単位)に作業が分けておき、きりが良いところまでやって突発的な仕事をする→次のモジュールに戻る
- 余計なことを減らす
また、以下の振り返りをすることで、高密度化を進めていくことが提案されています。
○年○月○日の振り返り
Keep(良かったこと、続けること) |
Try(今後の活動で試したいこと) |
Problem(困ったこと、問題点) |